空間が暗い状態で絵を見るということを(制作を踏まえて)考えたことが無かったので、とても難しい。
暗い状態は当然彩度が落ちるので、色彩同士の色幅が減る。
その状態で見える色。
その状態で美しい色って何でしょう?
以前、卒業制作の学内展示で、自分の展示空間を暗くして、弱い光で自分の絵画を見せる試みはした事がある。
それは、明るい状態で観ることが前提である絵画でも、例えば消灯したり家に置かれたりと状況により光源等状況が変わるので、一番小さな蛍光灯(何wかは忘れた)2個分の明かりで教室一つ壁分の絵画を見せた。
今回はもっと最初から、制作の段階から色を考えられるので、少し色彩を実験してみては、暗い状況に置いて実見してみている。
例えば、寺院の仏像を見る際、やはりそれはフォルムだけで無く、明らかに「色彩」を感じている。
三十三間堂の仏像群をモノクロで撮影したら一目瞭然で分かるだろう。
仏像は暗い所で見られるように金箔等で彩色している物もあるが、現在見られる仏像に対して、昔極彩色であったことを想起して色彩を感じるわけでも無いであろう。
使用した木材の色とか塗装が経年劣化した色と言ってしまえばそれまでなのだが、そこには「色味」としての幅があり、それは僕が今までの絵の具操作で課題にしなかった部分だ。
神山には昔使用した芝居の背景画が沢山残っている。
それらは暗い照明内で華やかさを持たせようとしてか、強い色彩をぶつけて劇的に描かれている。
それらは、暗い空間で色彩をみせるもう一つの方向。かつて仏像も向かっていた方向なのだが、その色彩の方向性は特に今の僕の絵画で見たい物では無いので今回は却下。
