絵画の上部壁が空いている


今個展の作品で[色彩に入る]の上部壁面が空いている事について。

当然正面壁最上部まで目一杯作品を描いても良いのだが、5m強の壁に対して高さ410mmの作品にした理由は「絵画の上辺」を見せる為だ。
絵画は四辺に囲まれているが、やはり上辺が目の(面の)始点として重要だと思う。
例えば、平面作家の作品や写真の上辺を隠して観るのはありえない。
資生堂の照明はかなり重厚感があるので、作品がかぶるとかなり画面と対峙した感覚が鈍る。
これはレントゲンの空間に大作を置かなかった理由と同じ(レントゲンにも大きな梁がある)。
特に、資生堂ギャラリーに入廊した際に、最初に作品を観るのは中二階のテラス状の場所からなので画面の上限に気をつけた。
高い天井高なので高い位置に作品を置きたかった為、10センチ間隔で実際壁に目安の線を引いて高さを割り出し、パネルを制作した。
同時に下部壁面も40cm空けているのは空間内で画面が落ち込んだ感じになる(目線が下がる)事を嫌いました。
鑑賞者の首の角度が常に正面、またはそれ以上になる事を意識。
絵の具を見せる事を考えるあまりに、絵画を見せる意識を完全に拭う事は不可能だ。
どちらかの意識が希薄になるとどっちも立たなくなる。
この意識を「空間に即して」と表現しているんだと思うけど。