絵の具のこと


僕のコンセプトにある「絵の具の美しさ」は、あまり始原的な場所からは発生しない。
いきなり「絵の具は美しい」という感覚から制作を始めることは出来ないと思う。(なぜなら絵の具の美しさは自分が絵を描いた経験から得た感覚に裏付けられた感覚で、最初から得ていた感覚では無いから。)
だからワークショップで自分の絵を教えられないので、感覚を細分化して部分として考えてゆくことになる。
最初はもっと絵画自体の事や、強度やイリュージョンの事を考えていたと思うが、それで描いていても地に足が着いていない感覚があった。
そんな折、自分の制作について語る機会があり、その1感覚として当時まで使用した絵の具量を漠然と計算してみた。
そうしたら、100リットルは超えているという結果になり、その絵の具は全てパレット上で練られたものだと知った時に、これだけ触っても美しいと感じられる絵の具自体が美しいのではないかと思った。
そして、そこからなら絵が立ち上げられる気がした。
ただそれだけ。
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