資生堂のホームページで、僕の作品について「サイトスペシフィックな作品」という記述がある。ぶっちゃけこの「サイトスペシフィック(Site Specific)」についてあまり考えてこなかったので、適当に記述。
サイトスペシフィックの意味は大体、「その場かぎりの、その場でしかありえない、その場特有の」という事になる。
「その場」についてのアプローチって多々あるし、具体的にどれを言っているのか解り難い。
例として資生堂を上げるが、「その場」を目に見える空間のみとして考えれば、ギャラリーの空間に合わせる、もしくは、このギャラリーでしか見られないという事になり、かなり許容量が広い言葉になる。
でも、資生堂という会社の歴史、立地する銀座の歴史なんかも「その場」として考える際には出てくるわけで、こうなるとかなり厳しい。
こうなると、NYのグランドゼロに建てられたモニュメントなんかは(美術かは解らないけど)空間に即しているとも言える。
どこまでを言っているんだろう?
ちなみに僕は、目に見える状態と、空間の構造と、過去に展示した作品までは考慮にいれます。
ここまでは空間のみについてですが、さらに作品が入るとヤヤコシイ。
例えば、その場を離れたら効力というか魅力みたいな物が無くなる、もしくは解体撤去するという種類の物は当然在るだろう。
絵画はそういう意味では(壁画でもなければ)比較的移動が容易で、パネル等に張ってある限り変形も少ない方の媒体とも言える。(空間や照明で劇的に変わるけど、この場合程度として)
だからこの場合、僕の作品、または制作へ向かう状態を観る方がどう思うかにかかってくるのだと思う。
サイトスペシフィックだと思う方は思うし、思わない方は思わない。としか言えない。
僕の制作工程としては、空間を測る。図面を引く。模型を造る。パネルの大きさや置き方を割り出す。パネルを造る。絵の具を載せる。展示する。
という手順になる。
最初に作品を展示する場が決まっていて、そこに向かって制作出来る場合は、最終的な展示状態までを意識出来るので、パネルの大きさや形から考える。
完成した作品はそれで絵画として独立するので、また別の展示機会があれば、その作品を空間にどの様に関わらせるかを考える。
後者の方は例えば100号等の既成パネルを展示する際と感覚は変わらない。
ロスコチャペルの作品も、マチスの教会の作品も、外してしまえば一応個の作品だから、どこか別の場所で素晴らしい展示にする事は不可能では無いと思う。
ちなみに、自分から「サイトスペシフィック」って言った事無いです。
「空間に即して」とは言う。
それが直訳なのかは解らない。
